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2011年8月13日 (土)

所得再分配について

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 税収不足が叫ばれて久しいです。昔は累進課税制度がしっかりしてましたが、金融資本傀儡であるレーガン大統領(注)の金持ち優遇制度以降、我が国も右へならへで累進課税制度は改正され、本来の所得再分配機能は失われました。

 税金は、国民から薄く広く徴収するか、所得のある者から徴収するしか方法はありません。国民から薄く広く徴収する前提条件は、国民に富が広範に行き渡っている場合には妥当性を持ちます。しかし、現状は、格差社会といわれるように労働者派遣法が制定され、国民に富が広範に行き渡る状態ではありません。また、社会インフラが整い、一度に大量の消費者を相手にすることが可能となり、一ヶ所に富が集中しやすくなってます。このような状況の中で、国民から薄く広く徴収すれば全労働者の約4割ともいわれる派遣労働者及び年金生活者の税負担の重さは際立ったものとなり、所謂税負担の逆進性が顕著にでます。現状では富が国民の2割に偏っているとの報道もあります。このような現状では税の妥当性のある方法としては、富が偏在しているところの富のある者から徴収する方法が妥当性を持ちます。

 消費税のように国民から広く薄く徴収することを模索するのであれば、入り口で富が公平になるように工夫をしなければなりません。それは、労働者の権利を政府が保証することです。すなわち、労働者の不利になる労働者派遣法などを撤廃して、富を等しく公平に労働者に分配するシステムを再び制定することです。現状の消費税は国民から広く薄く徴収する思想ですが、消費税が前提としている条件が崩れている中では本来の機能、公平な税負担は望むべくもなく、逆進性のみ目立つことは明らかです。改善策としては、消費税に累進性を持たせることとなります。高額商品の課税率を挙げることで少しは是正されますが焼け石に水です。

 世界中のどの国をみても富は一部の者に偏ってます。これは現代の社会構造が富を偏り易くしていることによります。誰でもわかることですが、未開社会では現代のように富は集中しません。現代の社会構造とは道路、車、鉄道、船舶、航空機、電話、テレビ、電算機など現代社会を便利にしているあらゆるものです。このインフラにより一度に多くの消費者を相手にすることが可能になったものです。このインフラは、国民の努力によって作られたものです。このインフラを利用することで結果として富が偏っているのです。現代は誰がやっても富が偏る社会なのです。

 結果として一部の者に富が偏っても、等しく富が分配されている状態と同様に消費をすれば経済学的には何ら問題がないのですが、現状は富が蓄積されるだけで滞留してます。普通に生活すれば、100人分稼いでも100人分の消費はできない相談なのです。これでは経済学的に困るのです。資本主義は貨幣による投票システムなのですから、投票されずに貨幣が滞留することは投票システムが機能しないのです。それ故、使用しないのであれば税金として徴収して、より必要な所に分配しようとするものなのです。所得再分配は経済合理性から導かれる結論なのです。理屈は理解しても、資本主義を支える私有財産絶対の原則があり、累進課税は税金泥棒と見做されガチですが、これは次のように考えることで克服できます。

 所得のある者は、自己の努力で勝ち得たものと誤解してますが、未開社会で同じ努力しても富の集中はおこらなかったものです。富はアイデアか努力でかインフラを活用して勝ち得たものです。屍累々の中で勝ち得たものとしても国民が提供したインフラを組み合わせて得た利益ですのでより多く便益を享受した者、組織としてそれに見合うインフラ利用税を払わなければなりません。これは、道理です。現状は誰もインフラ利用税を支払ってません。

 チャレンジをする者がいなくなることはありません。芸能人のポッと出のアンちゃん、ネエちゃんが何千万円稼ぐ等文明の利器がなければ無理な話です。お笑い四天王などと言われてますが、いなければ誰かが穴埋めすることは自明です。紳助がいなければ誰かが穴埋めします。ただそれだけです。誰がやっても食いつくようにしたのは国民の努力によるものです。この論旨は子供でも分かるほど簡単です。誰がやっても富は集中します。その人がしなければ他の人がしたということです。

 大店法で多くの小売業を犠牲にして資本を集中させたのは、国家です。多くの国民の犠牲に立って大規模資本があるのです。その大規模資本は当然国民に還元する必要があるのは当たり前です。大規模金融機関も同じです。それが国民経済にとって不利になるようなら規制されて当然の話です。

 高額所得のサラリーマンはどのように考えるかというと、インフラを利用した便益をより多く享受したと考えます。したがって、累進課税制度とはインフラ便益利用税としての性格をもっています。現状はフリーライダーになっているということです。したがって、国民は当然の権利として高額所得者から累進課税制度による税金徴収の権利をもってます。累進課税制度とは高額所得者からは税金泥棒のようにみなされますが、履き違えてはいけません。だれがやっても富は集中します。そのような社会なのです。現状は成果報酬に偏りすぎているということです。

 昔は、7割課税されていたのです。昔の方が公平という観点から妥当性があったのです。富が国民の2割程度に偏り、国民の現預金1500兆円で、税収不足が慢性化するというのは明らかに制度に不具合があるからです。この道理は国民として理解しておく必要があります。既得権益層が代議士を大量に議会に送り込み不利な法律の制定を阻止してます。個人情報保護法などを制定して個々人が団結しにくい状況を強制的に作りだし、その戦いは極めて困難になってます。

 現状は、累進課税制度の意義付けできなくて、富裕層の「どろぼう」という声、不公平という声、重税感の悲鳴に押されて、累進課税制度をなし崩しに破壊してきました。その結果として富が偏在しているのです。それは、富裕層をフリーライダーにした結果でしかありません。

 学生の方で、課題などに使用する場合の注意事項を老婆心で述べると、累進課税制度を述べるときには、必ずビルトインスタビライザーについて触れる必要があります。念のため。

 また、労働分配率の観点から考察する場合には、電算機の発展により、大規模、中抜き組織が可能となり、その結果としてトップダウン型の経営となり、富が経営側に集中しやすくなっていることの考察を加えれば優の論文になります。

 反論があれば承ります。

 富裕層からの意見 こちら こちら

うっーワン、ワン、ワン これを日本語で「負け犬の遠吠え」といいます。おかしな人にかかわらないようにとの声が聞こえましたので、お開きということで。

注:映画「インサイド・ジョブ」を見ると、レーガン大統領がぞんざいに扱われ、鼻面を引き回されている場面が写ってます。ご覧あれ。

参考まで 労働者派遣法を撤廃せよ

補足1

 クリントン大統領の時の労働長官ロバート・ライシュさんが、「余震」という本をだされました。内容は、所得再分配をしないとアメリカの復権はないというものです。現状は、上位1%の国民が国民総所得の1/4を得る一方、中間層が没落し、フードスタンプの受給者が4500万人に上り、金が回らなくなっているとしてます。この現状は民間大企業の役員と政府の高官は、人事交流で持ち回り人事でインナー・サークルを形成し、自分たちに有利な政策を採用し、政治家はロビーストを通じて業界から多大な献金をもらい、業界寄りの法制度を制定しており、所得再分配の仕組みを再構築しなければ米国の復権はないというものです。(私に言わせてもらえれば、アイゼンハワ-が言った軍産複合体がさらに絡んできます。)

 普通に暮らしていれば、誰でもわかる情報ですが、これを新自由主義というゾンビを宗旨変えさすことは口でいうほど簡単ではない。習い性となつており、新自由主義者を破滅させるしか方法がないからです。そこには激烈な戦いがあり、持たざる者が勝利することは極めて困難な道です。どうしたものか。

補則の情報

 米独立系調査報道ジャーナリスト兼作家のデービッド・デグロウ氏は、上記38.6兆ドルを所有する米富裕層が、全オフショア資金のうち6.3兆ドルを占め ると、自身のオンラインリポート(8月10日付)で指摘する。つまり、米国トップ0.1%(28万人)の超富裕層が、国内外に約46兆ドル(3680兆円)の富を抱えている計算だ。(注:一人当たり131億円)こちら

補足2 外部費用

 経済学で外部費用を習う筈です。例えば、水俣病で、十分な公害対策をとらずに水銀を有明海に流しイタイイタイ病が発生しました。窒素は、十分に公害対策をとることを避けて、費用を割安にしてますが、結果公害病を発生させてます。当然企業が対策をとるべきものですが、費用を住民に押し付けて儲けを得ています。この公害病対策費が外部費用と言われるものです。外部費用まで当然企業はとるべきですが、資本主義は外部費用を他人に押し付けて発展してます。そうれはそうです、本来のとるべきコストを他人に押し付けて知らんぷりですから儲からない筈はない。資本主義とは、もともとそのようなものなのです。故に国民の監視が必要なのです。原発も外部費用をコストに入れずに操業してます。外部費用までコストに入れると採算割れです。

 奴隷労働も外部費用を省いたものです。奴隷の医療、生活費など当然かかる費用をオミットするのです。少し考えるとあらゆる分野で外部費用を他人に押し付けて儲けていることが分かります。医薬品の薬害もそうです。他人にコストを押し付ければ、押し付けるほど儲かるのが資本主義です。

 無理をするなと無理を言う上司ですので、当然できそうもないノルマを与えてクリアさせる手法がとられています。採用の半分を使い捨てにするバカ企業は、採用応募者の機会と時間を奪っているのですから膨大な外部費用が発生してます。朝7時から夜中12時まで勤務させる企業は、従業員の健康と家庭生活を奪ってます。更に言えば、日本の将来も奪ってます。根無し草の国際企業がどこまでできるかお慰みです。全く存在不可能な筈です。いいとこ取りはダメです。

 資本主義において発生する外部費用の是正策としても、所得再分配政策は資本主義に必要不可欠、必須の政策なのです。理解できますか。富裕層、大企業の皆様。

補足3

 所得再分配は、労働生産性にも関わります。労働生産性は、生産過程における労働の効率のこと。生みだされた生産額を投下した労働の量で割った値、すなわち労働者1人1時間あたりの生産額で示されます。

 例を朝日新聞から取り上げますと、「激安外食チェーンで最低賃金(798円)で1時間に2000枚に皿を洗うとします。この労働生産性は、798円/2000皿=0.39円/皿です。一皿洗うごとに0.39円の付加価値を生み出してます。あるいは、或いは時間当たり798円の付加価値を生み出しているともいえます。一皿当たり0.39円の付加価値を産み出し、時間当たりでは798円になるということです。

 東京銀座の高級レストランで時給2000円で、時間60枚皿洗いをすると労働生産性は、時間当たりの付加価値2000円/60皿=33.3円/皿 一皿洗うごとに33.3円の付加価値を生産してます。この方は、時間当たり2000円の付加価値を生み出しています。一皿当たり33.3円の付加価値を生み出して時間当たりでは2000円になるということです。

 付加価値を多く生み出すほうが、生産性は高いのですから、高級レストランの従業員が生産性が高いということになります。ブラック企業では永遠に高付加価値は生み出せないのです。

 外食チェーンの従業員は、1日24時間しかありませんので、死ぬほど働いても高級レストラン従業員に追いつきません。

 以上の例では、対価が適正額で支払われているという前提ですが、本当の付加価値は、激安チェーン店の例では、時間当たり798円ではないかも知れません。1200円かも知れません。すると差額はどこに言ったのかというと、経営者の懐に入ったのです。本当の付加価値は、経営全体で見る必要があります。内部留保が100兆単位で増える現在、付加価値どおりに支払われていない可能性が高いのです。マルクス経済学では、剰余価値というものです。労働者の側から言えば、搾取というものです。

 また付加価値は、新興国の方が日本で働くと、同じ労働でも新興国で生産した付加価値よりも、より多くの付加価値を生産できます。それは、労働対価が高いからです。

 このことから、次のように言うことができます。

 日本の生産性が低いと言われるのは、要するにサービス、生産に対する対価が安く、賃金が低く抑えられているからということになります。生産性をあげるとは、サービス対価を上げて、賃金を上げるということなのです。所得再分配をすると労働生産性は上がるのです。

 企業の社会的責任、コンプラなど御託を言う前に、チャント給料、賃金を支払いましょう。チャント社会保険料をかけましょう。チャント納税しましょう。

  最後まで目を通して頂きありがとうございます。貴方に今日幸運が訪れますように。お祈りします。 鰯の頭も信心から、信じる者は救われると申します。藁人形もかなり力がありますので、きっと効くことは間違いありません。

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