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2011年9月27日 (火)

ボーダーレスの時代

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 今から20年も前になろうかと思いますが、ふとボーダーレスの時代と思うようになりました。男と女の境目が曖昧になり、親と子の関係が曖昧になり、大人と子供の関係、老人と若者の関係、生徒と先生の関係が曖昧になり、観る者と観られるの関係が曖昧になり、上下の関係が曖昧になり、勝者と敗者の関係、筆者と読者の関係、統治する者と統治される者、政治家と有権者、日本でも中央と地方、地球規模でも先進国と新興国の関係、アジアと欧米の関係などおよそ対立していたものが、昔は区別がハッキリしていたものが、音を立てて崩れていると感じるようになりました。このことは、大方の賛同を得れると思います。

 このような境目があいまいになることは、秩序が壊れることですから、当然ながら不安定な気持ちをもたらします。大地に根を張ってしっかり立っているという気持ちはなく、フワフワした心もとない、いつでも崩壊する根無し草のような気持ちをもたらします。すべて形あるものは崩れるというような昔からの諸行無情とは、違い、昔持っていた、社会の秩序に貢献していた概念は、失われ、対立した概念と混在になり、不安定な、つかみどころのない不確かな社会という意味です。

 ボーダーレスの時代は、短期的には、いままで考えもつかない斬新なアイデアをもたらし、新たな発展の機会を与えてくれますが、代償は、秩序で守られ、保証されていた関係が、実力勝負のむき出しの力関係になることです。したがって、当然摩擦が生じギスギスした社会となります。処世術に長けた人は、流れに逆らわず、自ら流れに乗ります。それがまたさらに社会を流動化させます。普通の人は、棹さしても仕方ないと流れに乗らないまでも諦め、黙認です。このボーダーレスの時代は、意図して引き起こしたものではなく、先の展望がわからないままに、引き起こされたものです。長期的な展望は、未だ開けておらず、新しい価値観を見出せるのか苦しい戦いです。

 私の観るとこボーダーレスの時代の淵源は、ウーマンリブにあると考えてます。根源的な男と女の関係を根本的に見直したところ、波及的に、それに支えられていたあらゆる秩序、局面が変わらざるを得なかったということです。その意味では、東大前教授上野千鶴子さんは偉大です。誰もがあたり前としてきた男と女の関係にメガトンクラスの原爆を爆発させ、地球文明の見直しの契機になったという点でノーベル賞に値します。歴史上で言えばアレクサンダー大王の東西融合にも匹敵する事業を徒手空拳で成し遂げたことは驚嘆すべきことです。いずれにしても女性の犠牲の上に構築されていた秩序は、上野千鶴子さんの鉄槌で見事に破壊されました。

 もう少し具体的に述べると家長が家で見せる現実的な姿を日本的規模で世間の前に晒してしまったということです。そうすると釈迦の説法屁一つともいわれる状態となり、なんだ「俺」と「私」と大して変わらないじゃないとなったということです。もともと大して底の深いものでなく、営利を目的として、外来知識を外国語の単語レベルでチョコチョコ入れながら、お互い太鼓持ちで支え合ってきた場が崩壊したということです。しかも、インターネットで次々と場のカラクリが明らかとなり場の崩壊は避けられなくなったものです。例えばマスゴミ、例えば文壇、例えば論壇、例えば英語教師です。水泳のできない水泳教員があり得ないように、英語が話せない英語教師が存在するのは日本のみです。論理矛盾があります。

 あるべき男の姿がなくなり、あるべき女の関係がなくなり、男と女は単なる性差となり、担なっていた男女の役割を放棄しているにも関わらず、男女の昔ながらの役割を求める双方の誤解から混乱が生じます。いま目にしているのは、この男と女の役割に対する誤解から生じています。ひどい人は、手術しても男を捨て去り、女になります。境目はまったくありません。

 親と子も、養うものと養われる者の立場があるにもかかわらず、友達関係が理想とされてます。不完全な子供を躾、社会に適合できる人を養育するという家庭に付託された義務を放棄し、子供の我儘を個性といい、民法で保障した子供に対する親の懲戒権を放棄してます。

 家を中心として成立していた嫁と姑の関係も、発言小町などを見てますとかなり根強く嫁いびりをしてますが、この関係も徐々に世帯として独立したら折々に実家に数時間滞在するだけというのが一般的になってきました。かえって、同居したら乗っ取られて姑が嫁に追い出されたという話も見聞きします。

 大人と子供の関係も、生まれて10年も経験してない子供が、平気で大人の話に首を突っ込んできます。大人もそれを不思議と思わず、あわせる。そのような子供にテレビで週刊実話に載っているような話を吹き込みます。この結果、下世話な耳学問の発達した歪な子供の製造となります。大人もいつになっても子供心を失わずテレビアニメに熱くなります。剰え、児童ポルノ、児童買春ですので、なにおか言わんです。子供も一人前の消費者として王様として扱われます。かくして、大人と子供の境界は不透明になる次第です。

 生徒と先生の関係も、生徒が教えられている立場であることを理解せず、生徒は先生の飯の種、すなわち生徒はお客であり、消費者であり、王様という誤解から生じてます。このため、先生は、昔からの役割を放棄して生徒への奉仕者になっています。発展途上にある不完全な生徒を矯正しても導くことを放棄して、先生と生徒は対等関係のような非常に難しいことになってます。 

 老人と若者の境目も曖昧です。老人自身が、希望を持ちつづける限り老人ではないと思おうとしており、肉体の衰えを薬と金で補い、積極的に若者市場に出かけます。よく考えれば老人の隠居は自ら望んだものでなく、後進に道を譲り、老害を排除する知恵であり、生活する便法なのかも知れません。時の権力者は、若いオンナを例外なく囲います。つい最近までも妾制度が生きてました。ともあれ、老人が昔から社会が期待した役割を放棄して、年寄りの冷水といわれようと若者市場にうってでてます。老人が粗大ゴミでなかったのは、社会の価値感に守られていたからでした。今や老人を守るべき価値観は失われ、単に年齢を重ねて、汚くなり、動作が鈍くなった個体がいるだけです。老人の概念はありません。老人も若者同様、自己責任、自助努力の世界に身を置いてます。

 男と女の関係について、曖昧になる結果、家庭が過去何十万年にも渉って伝承してきたあるべき男の像とあるべき女の像を子供に伝承できなくなっていると考えてます。上野さんは所謂女の像は、家庭で拡大再生産されてきたと考えるのですから、上野さんの目的は達成されました。しかし、依然として男と女の性差はあり、それにどのような意味を与えるのか不明なまま、時が過ぎてゆき、上野さんも、もはや「お一人様の老後」を問題として、この問題に興味を失ったかのようです。いっそのこと、法律で議員の半数は女性にする、会社の役員を含めた従業員の半数は女性にするなど(したがって女性だけの職場はなくなります。)法律で規程し、行き着く先まで解放をすすめたらと思います。そうすると何かが見えてくるかもしれません。男子が家庭に入ることも当然です。このようにすると新しい価値観が生まれるかもしれない。いまのところ、混沌だけが残ったという結果です。

 ボーダーレスの時代にも、我が国の特性である島国根性ムラ社会の論理は、「いじめ」、「携帯により常に仲間外れでないかメールで確認すること」、「仲間内での大げさなアクション、哄笑」を見ると、依然として息づいてます。ムラ社会の論理が底流に流れてボーダーレスというのが構図と思います。

 様々な対立した概念が、本来有する概念を捨て去り、対立した概念と混在となり、新しい価値観を見出せず、所謂シッチャカメッチヵ、何でもありという時代になってます。秩序感のある若者をみつけることが難しくなっていると思います。若者の空想的万能感は、このことと無関係ではありません。当然ながら空想的万能感に支配された若者は他人を尊敬することはありません。どのように生きるのも勝手ですが、あまり心地良い社会でないことは確かです。どのような社会になろうと生存の欲求は最低限満たせる社会であってもらいたいと思います。

補足

 あらゆる情報が瞬時にネットで入手できる時代に、知識の囲い込みは不可能です。知識を得ると意見を述べることができます。これを一部の専門家は苦々しく思っているようで、「知の劣化」と称して、ズカズカと専門領域に踏み込むなと言っています。

 しかし、考えてご覧なさい。テレビのコメンテーターなる人種は、自分の専門領域外のことにしたり顔で何でもコメントしてます。なにを言っているのだろうか。しかも内容は、予定調和的です。筋書きどおりです。

 これを要するに「バカは口を開くな」と言うことでしょうか。そっくりお返しします。

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