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2013年3月14日 (木)

トイレの話

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 今では、トイレットペーパーは、白くて柔らかいロール状のペーパーが当たり前ですが、半世紀前は、違いました。

 戦後は、新聞紙をB5位に切って、箱に入れて使用してました。使う前に新聞紙をゴシゴシとしごいて柔らかくしてからお尻を拭きました。新聞紙ですからゴシゴシとシゴくと少しは破れているかもしれませんが誰も気にしませんでした。

 トイレは、溜め込み式のもので木製の箱を土に埋めたものでした。陶器の金隠しになったのは後のことで、木製のトイレで座式のものでした。溜め込み式ですから、爆撃と同時におつりがくる仕掛けです。加えて金蝿の反撃があります。お尻についたり、額についたりの格闘となります。

 夏などは、トイレに入るとアンモニアの臭いで目が痛くなります。しかも狭くて熱いのです。これで着物を着てトイレをすることは相当に難儀だったと思います。

 トイレの中を覗くと蛆虫がニョロニョロ這っているのが見えました。これでは不衛生ですので、よもぎなどを入れて防止に努めてました。殺虫剤などは高価で誰も買いませんでした。想像できますか。

 その後、日本が豊かになるに従って、金隠しは、陶器になり、新聞紙がちり紙になりました。当時紙は、高価なものだったのです。雑誌の紙でさえも実に粗末でザラザラして軽いものだったのです。タイムなどの米国の雑誌の紙の高級なこと驚きでした。

 米軍の将校の家には、トイレは現在の水洗式のトイレがついてましたが、男性の小便器と女性の座式便器には分かれてませんでした。男女共用という訳です。不思議な感じがしたものです。しかし、兎小屋といわれる日本家屋では、普通は男性小便器と女性の座式便器は分かれてました。女性用の座式便器で小便をするご家庭もありましたが、それは借家のような家で普通は分かれていたものでした。これは男女を分ける文化の違いです。

 ちり紙には、白いちり紙と灰色のちり紙があり、白いちり紙でお尻を拭く人はいませんでした。お尻を拭くちり紙は灰色のちり紙でした。この紙はおとし紙といって、表面がザラザラしており、厚く、良く見ると新聞紙の文字が一文字見えることがありました。新聞紙を回収して融かして作ったものだからです。この紙で鼻をかむと肌がひりひりしました。お尻を拭く紙は、この紙を使用したものです。表面がツルツルして柔らかいちり紙でお尻を拭くことはもったいないことでした。白いちり紙は、他所行きで、四角に折ってポケットに入れるエチケットとして大事な高価なものだったのです。

 どこのご家庭にも畑があり、畑には、溜め込み式の厠から肥料として糞尿が播かれました。ですからどこのご家庭にも糞尿をすくう柄杓がありました。新聞紙がおとし紙として使用されてましたので、新聞紙も糞尿と一緒に畑に播かれてました。誰も不思議と思わない光景でした。今、このようなことをしたら、警察、消防署、保健所が出動する大騒ぎとなり、卒倒する方もいることでしょう。これは、つい最近の話なのです。

 近頃は、検便しても回虫がないようですが、半世紀前は糞尿を肥料として使用してましたので、回虫も多かったのです。

 北海道などでは、溜め込み式の便所は、冬は凍結して、とても寒いものでした。零下10度にもなる便所でお尻を出すことは大変勇気のいるものでした。凍結したトイレで冬の終わる頃には、金隠しの近辺まで凍結した糞尿がせり出してきます。やむを得ず今度は斧で氷柱を崩さなくてはなりません。氷柱を斧で削ると破片が顔に飛んできます。内地に比べて北海道の冬は、辛いものだったのです。

 今のトイレは、お尻をお湯で洗浄して、熱風で乾燥させますので、昔の人からは想像もつかないトイレです。この頃は、放屁、放尿の音を消すために清流の音まで流します。自分がしたトイレの臭いを消すために消臭剤まで用意されてます。外国から日本に見えた方は、かなりビックリするのではないでしょうか。

 

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