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2015年1月 5日 (月)

ゼロ・クーポン永久債について

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要旨

 一言で言えば、長期利付国債を即時償還割引国債に借換え、準貨幣にしたらどうですかということです。

 この準貨幣を市場で安値で売却して市中流通貨幣量を増加させるということです。新たな金融政策手段となります。マイナス利息よりは、余程マシです。

 これをインフレペナルティを受けずに通過発行益を享受できる範囲(所謂フリーランチのこと) で実施する。左記バッファの活用については、理論化されておらず、ガイドもないために市場動向を見ながら漸進的に通貨の希薄化を行なう。要するにインフレペナルティバッファを利用した貨幣価値の希薄化を行なうということです。希薄化の目安は6兆円でドルに対して1円円安になります。

 通貨の希薄化は、徴税代替手談でもあり、徴税システムが機能不全に陥ってる場合には時宜に適った方法である。

 換言するとインフレペナルテイバッファ部分(フリーランチのこと)を現金化しようというものです。インフレペナルテイバッファは、信用と強い相関があると推測され、追い込まれて取る政策ではない。

 金、米国国債、円が安全資産と目される世界においては、利付国債を即時償還割引国債へ借換、準貨幣とする政策は実行可能性のある政策です。

平成27年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けに関する件

借換額10兆4000億円

 この現行施策を大規模に行うということです。

 現行利付け国債を全て日銀において満期到来済みの割引国債に借り換えて、それを発行すると、マイナス利息による資金供給となります。市場から90億の預金を吸収して、100億の償還期限到来済の割引国債を発行すると市場出回り貨幣は10億増大する理屈です。

 預金をマイナス利息で減額させるより効果的です。これは、国民が消費に使える新しい政府の通貨(準通貨)です。

 念ために言えば、日銀による政府国債の直接引き受けではありません。償還期限到来利付国債とゼロクーポン国債(短期割引国債)の借換えです。現に日銀が実行済の施策です。国会の承認は不要です。

 借換えた満期到来済割引国債を市中に割引国債のまま流す。割引国債は、そのままでも準貨幣として使用できます。もし、準貨幣を信用できない場合には、割引国債と貨幣が交換される。この貨幣に交換された部分は、純然たる貨幣膨張(通貨価値の希薄化貢献)部分になります。これは、隠れヘリマネとも言えます。

 この増大した貨幣は、市中銀行の利息となり国民に還元されます。これは、財政資金を通じた家計・企業への所得移転です。国債を準貨幣として使用できるようにする。この部分も広義の通貨膨張部分です。市中動向を見ながら漸進的に通貨の希薄化を行うことができます。

 日銀預金(220兆)をマイナス利息で減額すると銀行も、預金をマイナス利息で減額するしか道はなくなり、市民は預金を解約して家庭に退蔵します。更に銀行は、他に良い代替投資先が見当たらないために、金利収入の得られる保有国債を市場に出さず、国債流通市場がタイトになります。

ユーロ圏の現金退蔵が1兆ユーロ超に増加、経済への不安背景

加えて銀行を疲弊させます。逆サイクルですので誤った政策です。
アングル:欧州銀行株、金融危機開始時上回る猛烈な売り(ロイター)

 マイナス利息は、個々人を対象としたミクロ政策ではなく、等しく国民に負担させるマクロ的貨幣価値の希薄化で対処すべきものです。マクロ政策としての即時償還割引国債というアイデアは、マイナス利息による資金供給として実行可能性のある政策の一つです。

◎利付け国債を適宜割引国債に変換することで、財政は破綻しないことを国民に示す。

◎利率の操作で動かない時には、償還期限到来済の割引国債を流すなどヘリコプターマネー(真水)を活用する。これは、マクロ的マイナス利息です。これにより過度の流動性選好を是正し、実物資産選好を図る。

◎マイナス利息で直接預金を減額するミクロ的方法は、欧州、日本を見ても銀行の体力を著しく毀損し経済を混乱させるので誤った政策であることに早く気付くこと。(ミクロ的マイナス利息の前提条件として官営でないにも関わらず銀行は毀損しないという誤った仮定が設定されてます。)

◎ミクロ的マイナス利息は、銀行の体力を毀損して、結果生き残りをかけてハイイールドジャンク債CLOなどに活路を見出す現状から、金融を著しく不安定にする誤った政策である。

◎ゼロクーポン債は、いつでも実行できるものではない。国家の総体が健全であり、国際的信任があつい時でないと安全に実行できません。壊滅的な大規模災害が発生した後に、ゼロクーポン国債を実行することは事実上不可能です。ヘリマネ類似の施策は、禁じ手とされており、追い込まれてから実行する施策ではない。

 日銀が買い上げた国債は、ロイターによれば2016年11月7日現在で400兆3092億です。この償却は、日銀において、通貨で償却するか、或いは満期到来済の割引国債(変形通貨)に変換するしか方法はありません。

 いずれにしても利付国債を割引国債に借換えることは、日銀・財務省が決断すれば即時にできることです。(現在、日銀が実施している国債の買上げは、繰上償還と同じことです。社債を会社が買い上げることを考えれば理解できます。会社は買上資金をどこかで工面する必要がありますが、日銀は通貨発行で手当できます。世の中でも借用証を取り戻せばお終いです。)

No. 1135 マイナス金利

マイナス金利の次はゼロクーポン永久国債へ転換か?

次の通り、日銀、財務省が一部実行済み施策です。

平成27年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けに関する件

借換額 10兆4000億円

平成28年度中に償還期限の到来する本行保有国債の借換えのための引受けに関する件

借換額 8兆円

解説

 償還期限到来利付国債とゼロクーポン国債(短期割引国債)の借換えについてです。

 短期とは、1年、6ケ月、3ケ月ですから、日銀が最長で1年保有すると満期到来済割引国債になります。償還期限到来利付国債を短期割引国債に借り換え(交換)利払いを停止します。償還期限が到来しても、単に保有していれば、新たな債務負担をする必要はありません。あるいは、償還期限の短期の延期、償還額の平準化だけです。

 現在は、ここまでですが、この割引国債に償還期限到来済割引国債は額面額の通貨として利用できます。」と規程すれば、つぎのようなことができます。即ち、少額貨幣の発行権限を有する財務省が割引国債額面額の通貨発行権限を日銀に付与するということです。

 こうすると満期到来済割引国債は、(1)日銀は現金化の権利を行使せずに利払いを停止するだけで保有することもできます。(2)現金化の権限を行使して、割引国債を償却して相当額の高額貨幣を発行することもできます。(3)あるいは、満期到来済みの割引国債を額面額を下回ってヘリコプターマネーとして市中に流すこともできます。

 利付国債の割引国債への借換は、通貨の希薄化を漸進的に市場動向を確認しながら実行できるものです。

※国債償却の方法

国債の返還方法

1 通貨は発行しないで返還する方法

 純然たる税収で返還することになります。税収不足で国債を返還できない場合には、国債償還を繰延し、国債で借り換えることになります。所謂赤字国債です。

 借金のために借金をすることです。原則的な方法です。財政法5条により国債の日銀引き受けは禁止されてますが、特別の事由があるとして、特例措置として国債償還繰延ために赤字国債を発行しています。

2 通貨を発行して返還する方法

方法1
 日銀の有する通貨発行権限を使い、通貨を発行して利付国債を買い上げることになります。現在は日銀が国債を保有したままですが、いつでも償却できます。これは通貨をもって一時に全額償却する方法です。

 現在は、市中国債を通貨を発行して日銀が400兆保有している状況です。これは、国債を日銀の通貨発行で償却するものであり、財政法で国債の日銀引受に該当し禁止されているものです。その理由はハイパーインフレを防止するためです。次の当ブログで提言した方法をほぼ実行しています。

日本財政復活の秘策 国債繰り上げ償還について 

方法2(試案としての償却方法)
 日銀の有する通貨発行権限を使い、通貨を発行して国債を買い上げることになります。一時に全額償却する影響が不透明であることに鑑みて、利付国債を割引国債に返還します。これで利払いは発生しません。事実上国債を償却したことになります。

 金融政策の手段を確保するために、償還期限到来済割引国債を日銀において保有しても良いのですが、経済状況により、逐次日銀の償還期限到来済割引国債を市中の満期未到来の利付国債と交換します。この段階において、割引国債は市中に流した分だけ償却されることになります。

 方法1に比較すると市場動向を確認しながら漸進的に国債を償却するものであり、穏便な施策になっています。(償還期限到来済割引国債は純貨幣として市場流通を政府が保証宣言する必要があります。漸進的に償却するのですからハイパーインフレなどなり得えません。

 「通貨発行益をインフレというペナルティ無しで享受する」(インフレペナルティバッファ) ための政策は、いかなる通貨発行国にも理論的にある筈です。通貨発行益をインフレというペナルティ無しで享受するバッファの大小は、国富(信用力)に関係するとしか現在では言うことができません。通貨信認の篤い国が、インフレペナルティバッファを利用した通貨政策を実行したことはないのですから、国富とマネタリーベースとマネーストックとインフレペナルティバッファの相関関係はだれも分からないのです。

 歴史は、生産設備が壊滅的被害を受けあるいは経済が著しく停滞し(供給生産の著しい毀損) 、 国富が大きく毀損した(信用力の著しい低下)国家の過剰な通貨発行は、ことごとく失敗に終わっていることを教えてくれます。 供給生産能力が著しく低下している(潜在GDPの著しい低下)にもかからわず需要・消費を喚起する(名目GDPの喚起)のですから当然です。少ないモノに多くの人が群がるのですからモノは高騰します。そこで預金封鎖をして消費できないようにしてバランスを取ろうとします。

 現在の日本は、国富は、2016年末時点で3350.7兆円です。これには人的資源、ブランド価値などの価値換算がなされませんので国富は、更に大きいと予想できます。現在の日本と同じものを作るのにいくらかかるかという問いに置き換えると国富は極めて大きいことが予想できます。この膨大な国富を背景に通貨を発行しているのです。即ち日本のインフレペナルティバッファはかなり大きいことが予想できます。

 このような芸当ができるのは、現在の通過は不換紙幣だからできることです。供給力に制限のある金と連動した兌換紙幣は、隘路があり通貨増発の芸当はできないのです。単純に信用力のみを背景として無制限に増刷できる不換紙幣だからできる芸当です。現代の経済学は、不換紙幣の時代の隘路のある貨幣の時代に構築されたものであり、再考が必要です。昔、朝日放送で同志社大学の浜矩子さんが、米国は紙幣を増刷しまくっており、1ドル50円の暴落もあり得ると予言してましたが、そのようなことは生起していません。現在は1ドル110円程度です。

 通貨を大規模に発行するとして、問題は「いつか物価が上がる」といっても、一体いつなのか、どれほど通貨を発行するとインフレペナルィを受けるのかなど見通しが立たないことに対する回答として、漸進的に国債償却を実施すると言っているのです。細心の注意を払いながら通貨価値の希釈化を行うと言っているのです。

 しかも、既存の徴税システムが機能不全に陥っている場合は、通貨価値を円滑に希薄化し、漸進的に国債償却を実施することは代替徴税システムとしても優れている。

 現在は通貨発行マネタリーベースと市中出回り活動貨幣(マネーストックの偏在)に著しい乖離があり問題を更に複雑にしています。追い詰められた日本財政を救済する方法は、消費税10%でオロオロしているのですから、インフレペナルティバッファを利用する奇手に頼らざるを得ないということです。

 甘やかされた日本国民が夕張市民のように意思が強いとはとても思えません。もはや漸進的国債償却しか道は残されていないのです。 漸進的に国債償却を実施する方法でも痛みは必ずあります。古来笑って返せる借金はないことは鉄則です。

 斉藤 誠(一橋大学大学院経済学研究科教授) さんは、「それでは、遠い将来はどうなるのであろうか。非常に自然な予測は、マーシャルのkが8%程度に低下し、日銀券流通残高の拡大テンポに合わせて物価が上昇する長期的な姿に回帰することであろう。

 たとえば、物価上昇率と実質成長率がともに2%であるとすると、日銀券の拡大テンポは4%になる。その場合、短期金利は、2%のインフレ率に若干上乗せした水準、たとえば、3%程度になる。

 問題は、現在の状況、すなわち、「物価が安定し、短期金利がゼロ近傍でマーシャルのkが20%弱」という状況Aと、将来に予想される状況、すなわち、「インフレ率2%、短期金利3%、マーシャルのkが8%」という状況Bがどのように結び付けられるのかである。

 ここでも経済理論に忠実になってみよう。終着点が状況Bになることが明らかな場合、物価や為替のように柔軟に変化できる経済変数は終着点に向かって速やかに調整される。先に見てきたように、終戦直後の6年間に50%近くまであったマーシャルのkが戦前の10%弱の水準に回帰して、その間、日本経済は物価高騰に見舞われた。

 おそらくは、状況Aから状況Bへの移行も漸次的なものではなく、物価水準の急激な修正となるであろう。他の変数を一定としてマーシャルのkが20%から8%に低下するためには、物価水準が2・5倍にジャンプしなければならないそうした急激な水準修正が、たとえば3年間で起きるとすると、日本経済は年40%弱の物価上昇に見舞われる。」としています。

 この方の考え方は、インフレ税を否定した従来型の徴税システムを是として考えたものです。企業の利益が増えても法人税収が増加しないように徴税システムが完全に機能不全に陥り、タックスヘブンなどを利用した脱税が蔓延る現在においては、マクロ的に通貨を膨張させ、通貨価値の強制下落により徴税することは妥当性があります。通貨膨張による徴税システムは、政治家、ロビイストにより法律が抜け穴だらけになる不具合が完全に防げます。通貨膨張による徴税は絶対に取りはぐれはないのです。上述のように、従来型の最悪パターンでも大したことはない。実際は現在の徴税システムを変更するのですから、もっと緩やかなものになります。

 この準貨幣は、国債発行額を通貨単位とするものですから、100億円以上にもなるもので、ほぼ銀行間取引及び財政投融資などの大型事業の真水予算として用いられることを予定しています。)

 利付国債を割引国債へ返還することは現行法で対処可能ですが、割引国債を準貨幣にするためには新たな立法措置が必要となります。

 「働く人のためのケインズ革命」というブログで述べられてますが、「活動貨幣の増大(取引動機による貨幣保有)を抑えながら、つまり、貨幣の富裕層への一極集中を推進しながらマネーストックを増加させても、インフレにはならず、経済成長もしません。」という状況を打開するための施策として方法2は、意義があります。文末の付記7に全文掲載しています。

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 日銀が現金と引き換えに市場から買い取った国債を日銀においてゼロクーポン永久国債に振り返るというアイデアが元英金融サービス機構(FSA)長官アデール・ターナーさんから出されました。

 ゼロ・クーポン債は、利息はないが、利息相当分が額面金額から割り引かれて発行されるもので、償還時には、額面金額で受け取れるものです。割引債ともディスカウント債とも言われます。これを永久債とすると満期を有しない国債となります。永久に償還期限は到来しない訳です。これを日銀が引き受けて、国債を塩漬けする訳です。

 この、ゼロ・クーポン永久国債を変形して、「償還期限到来済割引国債は通貨として利用できます。」と規定します。即ち、ゼロ・クーポン永久国債を即時償還割引国債に変換するということです。アデール・ターナーさんは、償還期限を永久に到来しないとしましたが、それを180度真反対の償還期限を無限にゼロにすることにより割引国債は通貨になります。また、利息前払ですから通貨を安く仕入れるということが可能になります。彼の提案を真反対にしたものが即時償還割引国債となります。

   経済学的には、国債をマイナス利息で供給するということです。国債を繰り上げ償還し日銀において償却する案は、全額が希薄化に貢献しており、マイナス利息での資金供給です。即時償還割引国債は、償還財源を歳出予算に頼らないことからやはり割引国債発行額が希薄化に貢献しており、マイナス利息での資金供給となります。ただし、市中に出回って初めて国債が償却されることになります。

 マイナス利息で資金供給というと、預貯金に課税をすること、或いは保管手数料を徴収することが頭に浮かぶと思います。これは、そのものズバリです。しかし、これは多くの反対が予想されますので政策的に取りにくいのです。また、個々人へのミクロ的政策であることから家庭に退蔵することでマイナス利息の影響を逃れる方法もあります。

 現在日銀ははマイナス利息を政策として採用してますが、銀行の体力を著しく毀損するとの非難もあり、また貨幣の家庭退蔵で耐火金庫がバカ売れと予想どおりの反応がでてます。

 そこで代替策としてマクロ的にマネーの希薄化を図ることでも同じ効果を得ることができます。希薄化とは、実質価値の目減りです。預貯金どころかタンス預金も保有するだけで価値が目減りするのです。邦貨すべての価値の減価です。

 銀行預金から利息分が直接差し引かれるミクロ的なマイナス利息とマクロ的に通貨を増発して、国民経済全体から貨幣の実質価値を減価させる、即ち貨幣価値の希薄化は、同じことをしているのですが、国民の感じ方はまったく違います。ここがミソなのです。

 貨幣の希薄化とは、例えれば、額面一万円の通貨が9千円の価値になるということです。すると元の価格で販売していては、販売する度に損失がでます。これに対処するには、量を減らすか、販売価格を上げることが行われます。株価が上がり、通貨が安くなるのは、実質価値に合わせた調整といえます。通貨の希薄化は、国民の同意が不要な実質価値を切り下げることによる増税なのです。即ち預貯金に対するマイナス利息と同じ効果が得られるものです。

 少し詳しく説明すると直接的に現金をマイナス利息で減額すること、あるいは、現金を強制的に9割分しか使用できないようにすることと、カサを増やして実質9割の価値しか持たないようにすることは、すべて同じことなのです。

 利益に課税して資金を吸収すること、預金からマイナス利息で資金を吸収すること、貨幣の希薄化で価値を減額することは、すべて同じことです。国民が個々からのミクロ的な徴税が嫌というならば、マクロ的な徴税が残された手段です。インフレ税と呼ばれるものです。

 通貨を増刷することで貨幣の価値は希薄化し、実質価値が下落します。しかし、実物資産は、希薄化してませんので、通貨の価値のみ下落します。ですから通貨保有税とも言えます。マクロ的なマイナス利息であることが理解できます。

 昔から、幕府の武力を背景に徳政令として借金踏み倒し、通貨発行権限を利用した貨幣の改鋳として行われてきた方法です。現在は金との交換をしなくても良い不換紙幣ですから政府信用のみを背景とした通貨になってますので、通貨増発は、容易に実行できる方法です。しかし、各国とも政府が国債を発行して、中央銀行が直接国債を引き受け通貨を発行することは禁止してます。これは過去の激しいインフレ経験から財政法で禁止したものです。 

 しかし、国の財政が大赤字で他方国民の預貯金が積み上がり、企業の内部留保が拡大し、富裕層がタックスヘブンで租税回避をするような直接的な徴税システムが複雑化して脱税も蔓延り、機能不全に陥っている場合には、間接的に網羅的に課税するインフレ税は検討されるべき徴税手段です。

 徴税は誰にとっても嫌なものです。富裕層は徴税を厳しくすると泥棒国家と言って憚りません。貨幣を増発し貨幣価値の希薄化を図ることで徴税することは、利己主義が蔓延し報国意識が消失した現在における実行可能性のあるほとんど唯一の手段です。

 更に言えば、富裕層、大企業の現金・預金・債権の実質価値を減額させて、弱者である中小企業、低所得者の債務の実質価値を減額させますので、所得移転効果、所得再分配機能も有します。所得再分配機能が弱体化した現在においてインフレ税を検討しない選択枝はありません。

  2010年菅政権の時に、国民の預貯金は、1400兆、企業の内部留保150兆でした、2017年国民預貯富裕層の現金・預金・債権金1800兆、内部留保430兆円です。株価は、2万5千円も視野に入っています。

 しかし、この間も年々の歳入は欠陥が生じて赤字国債を発行しなければ歳出予算を組めませんでした。しかも、依然としてデフレ基調です。これは、完全に徴税システムに欠陥があることの証左です。

 また、世界的にも富裕層に富は集中しており、最富裕層と国家の富をめぐる権力闘争に国家は負けつつあり、階級的地位を固め、勝利を収めつつある現代においては、社会のすべての構成員に等しく課税するインフレ課税は有効な課税手段です。

 マクロ的マイナス利息が優れている点は、あらゆる階層の構成員に等しく課税し、貨幣、債権を有する富裕層の債権価値を減じ、債務を有する貧困層の債務価値を減ずるのですから社会的公正の観点からも妥当な代替徴税システムです。欠点としては、匙加減が、極めて難しい点です。

(代替徴税システムの論点は極めて重要です。)

 前者は直接的ですのでミクロ的な施策といえます。後者は貨幣全般の価値を希薄化で減価することですのでマクロ的施策といえます。預金からお金をとられることと、預金が増えることが同じ訳がないという方は、次の例を考えて下さい。周囲数メートルを見渡すとそうですが、日本全体3000キロで考えると違う景色が見えるのです。

 需要と供給が均衡が取れている経済から供給一定と仮定して、需要の源である貨幣を徴税すると需要は減退し、供給が相対的に過大になり、値崩れがおき、デフレになります。反対に貨幣を増やすと、需要が増えて、相対的に供給が不足となり値上がりしインフレになります。

 マイナス利息とは、ミクロ的には、現預金が保有するだけで価値が減額するものです。言わば通貨保有税です。通貨を保有するだけで銀行預金が減る訳です。痛税感があります。すると供給側のモノの価値との交換は、旧来の価格で販売しては損失がでます。なぜなら通貨の価値は減価しているからです。言わば紙幣の右上を見えない形でカットしたようなものです。モノの価格を高値に改定することになります。これが周囲数メートルの現象です。

 これと同じことは、マクロ的にもできます。供給一定の中で、通貨を大量に発行してバラ巻くと需要が増大しますが、相対的に通貨の価値は減り、モノの供給が一定とすると供給が不足します。すこしイロをつけないと同じものが買えないのです。よって、モノが値上がりします。これが日本全体3000キロで見える景色です。

 しかし、ミクロ的マイナス利息でも、マクロマイナス利息でもホドホドにしないと通貨の信認は失われ、紙幣は紙切れになり、価値は激減します。このホドホドが難しくて誰も手を出さない施策であす。過去の失敗のトラウマからヘリマネは、各国とも厳禁されている施策なのです。通貨をどれだけ発行できるかは、国富との相談になります。総じて過去のハイパーインフレは、国富が戦災などにより著しき毀損している場合及び国富が乏しい場合など国際的に通貨信認が得られない場合に生起しています。

 要するに、マクロ的マイナス利息の本質は、貨幣価値の希釈、希薄化ということなのです。痛みが直接的か、間接的かというだけの違いです。

 流動性の罠に陥っている場合、即ちいくら金融緩和しても資金需要がなく、銀行に資金が滞留する状態を打開する方法として、マイナス利息による資金供給は、理論上あります。しかし、マイナス利息による資金供給は、ミクロ的な直接通貨を減額するマイナス利息とマクロ的なヘリコプターマネーによる通貨の希薄化などが代表ですが、実行可能性があると思える政策がなかったのです。即時償還割引国債というアイデアは、マイナス利息による資金供給として実行可能性のある政策の一つです。

 即時償還割引国債では、通貨を安く仕入れることが可能になります。額面100億の即時償還割引国債を90億の現金で仕入れることができるということです。あるいは、満期未到来の利付国債と満期到来済割引国債の交換も同じことです。

 この国債は、変形通貨として流通させることを前提として「償還期限到来済割引国債は通貨として利用できます。」と規定してますが、敢えて現金と交換する場合には手数料を徴収するようにします。国家が変形通貨と認めている訳ですから、無理に手数料を支払って現金と交換する必要はありません。しかし、どうしても変形通貨を信用できない方は、各種手数料を支払って現金に交換します。このような国債であれば、誰でも購入したいと思う筈です。

 日銀が保有する国債すべてを、いかなる形でも割引国債をもって償却すると、利払は停止させることができます。更に、即時償還割引国債にすると、これは、通貨ですからすべてこのタイプの国債に振り返えると、割引国債残高とは、通貨保有高と同じになります。この影響は、市中に放出して始めて影響がでるものです。日銀が保有するだけなら利付国債を割引国債に借り換えただけですので、国債のタイプの変更だけです。

 国債の日銀買い入れの出口戦略として、私の提案する日本財政復活の秘策 国債繰り上げ償還(日銀において利付国債を現金で償却)は、国債を通貨で償却することを目的としたものですが、割引国債即時型も、いわば変形通貨で国債を償却しようとするもので本質は同じです。即時償還割引国債は、通貨の希薄化に貢献する部分を市場動向を確認しながら、行うもので穏健な案なのです。通貨の希薄化を漸進的に市場動向を確認しながら実行できる点で優れています。

 即時償還割引国債が日銀内部で現金で強制償却する案に比較して優れているのは、市中動向を見ながら国債を償却できる点です。もともと利払を停止しているのですら、無理に償却をする必要はない訳で、割引国債の引受状況など市中動向を見ながら日銀が任意に国債を償却できる点が優れているのです。換言すると異次元の金融緩和で市中に流された通貨の希薄化の確認、確定過程とも言えます。

 国債を日銀内部で償却することと、利付国債をゼロ・クーポンの割引国債に振り返ることは、同じではありません。前者は直ちに累積債務を強制償却すること、即ち全額希薄化に貢献しているもので、全額ヘリコプターマネーですが、後者は国債の単なる振替です。割引国債は、市中にでまわって初めて通貨と交換可能な変形通貨になるのです。日銀が国債償却を強制的に行うことに比べると穏健な施策なのです。日銀が割引国債を単に保有しても、利付け債務が無利子債務になるだけです。

 紙幣は日本銀行券ですが、国債は財務省証券です。財務省証券を即時償還割引国債とし、紙幣と額面額で常に交換可能と規定することで財務省証券は、通貨になります。

 この紙幣は、額面額が1000億のものもあれば、10万円のものもあるという額面額が一定でない変形通貨です。しかも、通常の通貨は、額面額を下回って卸すことはありませんが、この変形通貨は、国債の形態を取っているために、割引債という名目で額面額を下回って発行できるのです。

 発行主体も日本銀行ではなく、財務省です。財務省が打出の小槌を持つということです。

 変形通貨を所有したい動機を生み出す点で、繰り上げ償還よりは即時償還割引国債は、優れた案です。即時償還割引国債は、実現可能性のある優れた案です。

 まずは、小規模に10兆円程度の割引国債を発行して、様子を観察することが常道です。そして不具合があれば修正するというところでしょうか。何でも最初に実行した人が歴史に残るのです。

 或いは、円が大幅に円高に振れる場合には、6兆円で一円円安ですので、180兆から200兆円割引国債に振替れば良いのです。日銀保有国債400兆全額を割引国債に振りかえても良い。

手前味噌の評価

 現在日銀が行っている政策は、当ブログが再再掲までして訴えた、「日本財政復活の秘策」のとおりのことをしています。当ブログは、その先を見越して、利付国債を満期到来の割引国債に転換して、日銀政策手段を確保することを提言しています。

 このようなことを提言しているのは、日本国1億2千万人で私一人です。前人未到の独創的な政策です。

 この爺さん、難しい言葉ばかりで、何言ってるのか分からないと言う方は、最初の一行のみで骨子の八割は、理解できます。

Suitability (目的適合性)   計画は、目標から連なる上位目的に連鎖しており目的に適合しているか ◎

Feasibility(実行可能性)      計画は、実施可能なものか    ◎

Acceptability(結果の受容性)  計画を実行した結果は、受容可能なものか ◎

なかなか良い政策と思うのですが、一人合点か。経営大学院などで教えられるプランを評価する視点の一つです。誰かにチラッとさりげなく話してみるともてるかも。

少しは気分が晴れましたか。

ワンワン、かくして、提言は虚しく虚空に拡散するのでした。

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付記1

 国債発行残高1000兆をすべて割引国債即時型に置き換えることは、金融緩和で流した市場の通貨を吸収して割引国債即時型という変形通貨
に置き換えることですので、通貨発行量はむしろ割引率の分増えるのです。即ち希薄化したままな訳です。円価120円程度のままです。現状はインフレではありません。すなわちインフレにはならないのです。割引国債即時型は、償還がありません。通貨なのですから。

 これは、どういうことかと言えば、大規模金融緩和の出口戦略は、日銀内部において、現行国債をすべて割引国債即時型に振りかえた時点で出口戦略は完了ということを示しています。

 市場関係者は、16年末で市場から国債の買い上げを止めると、長期金利は急上昇して制御不能となるとしたり顔で御託を述べてますが、現行国債を割引国債即時型に置き換えるとそのようなことにはなりません。それは、割引国債は変形通貨にしているからです。

 例えば、市場に発行価格90億円の割引国債を販売(通貨を90億円吸い上げて)して、額面100億の割引国債即時型(変形通貨)を流すのですから、むしろ市場の通貨総量は増えるのです。

 ハイパーインフレになるという方は、現在、日銀は徐々に市場に資金を供給して、日々確認しており、その結果がどうなっているのか確認して下さい。現在は、日本の円貨は、対ドルで118円の価値を維持してます。株価は、17500円です。海外の市場動向によっては、直ちに円に退避して円高になっています。円の信認が極めて厚いことを示しています。

 即ち現在の通貨の資金量は市場評価を得た資金量なのです。現状は、インフレどころか、まだデフレからの脱却途上にあります。割引国債即時型は、この資金量を維持乃至微増させる政策なのです。

 景気の浮揚を図りたいときには、割引国債即時型を割安で放出して、利益を計上させれば良いのです。通貨のバーゲンセールです。政策手段としても使用できます。

 通貨バーゲンセールを夏と冬に年2回やると景気浮揚間違いなし。私も欲しいという声が聞こえそうです。この通貨バーゲンセールは、銀行預金利率の上昇という形で国民に還元されます。或いは、贈与された通貨を使ってリスクのあるベンチャー投資に回すこともできます。

 会計学で利息とは、時の経過によって貨幣から生ずる利益と習った方も多いと思いますが、割引国債即時型は、利付債とは、逆のスキー
ムの割引、ディスカウントすることで利益を出そうとする債権です。普通は償還期限がありますが、これを償還期限をなくしたものが永久債です。

 国債に適用する場合には、国家の立場ですので、額面額と通貨を等価交換できる旨規定できるのです。こうなると名前は債権ですが、債権ではありません。通貨です。

 簡単に言えば、元本(額面価格)保証の通貨のバーゲンセールということです。別名隠れヘリコプターマネー。

付記2

 ヘリコプター・マネーは、小規模で既に実施されているものです。各種給付金がそれに当たります。これの経済学的意味合いは、コストゼロで通貨額面額の価値を入手することです。より需要の喚起を確実にするには、使用期限付き商品券となります。これを大規模に実施するものが所謂ヘリコプター・マネーなのです。政府からのプレゼン、贈与です。ヘリコプターマネーの経済学的意味合いは、投下資金全額が、通貨希薄化に貢献しており、超マイナス利息での資金供給です。

 バブル崩壊後も商品券は発行されましたが、規模がTOO LITTLEでした。効果のある政策も適正な規模でないと効果は薄いのです。

 割引国債即時型は、何がしかのコストを支払って付加価値を手に入れるということです。本来のヘリコプター・マネーは、額面額をゼロコストで入手できるものですから、それと比較すると相当に穏やかなものです。

 ヘリコプターマネーを超マイナス利息での資金供給とすると割引国債即時型は、本来であれば、利回り部分は、30年程度かかる利息分を入手と同時に償還差益とすることができるのですから、この利回り相当部分は、贈与、プレゼントです。この部分が信用創造による付加価値です。

 割引国債発行額の本体部分は、本来であれば30年後などの返済を直ちに通貨に換金でき、歳出予算によらずに償却していますので、この部分が希薄化に貢献している部分で、マイナス利息での資金供給です。

 ヘリコプターマネー、あるいは日銀において無条件に国債償却する案などに比べると、割引国債即時型は、市場動向を見ながら市中において国債を償却することが可能です。相当に穏やかな政策であり、実行可能性のあるものです。

 この割引率が利子の先取りか、或いは政府からの贈与なのかという点は、割引債という形態をとっており、形式的には利子の先取りですが、その本質は変形通貨であり、政府の贈与が本質です。経済学的には、マイナス利息での資金供給という意味です。

 プラス利息があるのですから、当然マイナス利息も理論上あるのです。常識にとらわれていると預金をすれば利息がつくものと考えがちですが、預金をすると利息がとられることもあるのです。マイナス利息での資金供給とは、そのようなものです。

 国家が、何もせずに付加価値を創造できるのかと疑う向きもあると思いますが、それは、通貨が既に商品となっており、FXなど投機の対象になっていることを考えると通貨の商品性を理解できます。通貨という商品を取り扱う国家が安く卸すと受け取る国民に付加価値ができるのは当たり前のことです。

 通貨は、昔から石油資源と並んで敵対とみなされる国家への金融兵器として機能してきました。現在は米国覇権に対抗するロシアに向けられてます。通貨を自由に発行できることは、必ずしも良い面ばかりではないのですが、ここでは述べません。

 それでは、そのようなことをすると通貨の価値は激減しないかという疑問が沸きます。通貨の価値は、国家の総体(国家に帰属するすべての人を含む資産の価値を担保として発行しているものですので、単に政府の資産価値のみを担保としたものではありません。その額は、民間・政府の工場、建物、港湾、空港、船舶、武器、橋梁、鉄道、道路、神社、仏閣、古墳、大学、国立公園などインフラ資産5000兆、対外純資産資産367兆、個人預貯金1800兆、東証株価時価総額592兆、人的資産2000兆、日本の総ブランド価値500兆)を担保として発行してます。参考までに言えば国民経済計算年次推計によると、土地や住宅、工場などの資産から負債を差し引いた国全体の正味資産(国富)は2016年末時点で3350.7兆円です。

 要するに日本の価値とは、日本国と同じ国を人、モノ、土地こみで現在作り上げるとしたらいくらかかると言うことと等価です。エイヤで1京0259兆必要ということです。これが日本の価値です。これを背景として通貨を発行しているということです。1000兆円の負債で日本が倒産は、明らかに間違いです。しかし、やり方が悪いと黒字倒産はあり得ます。

 この信頼が崩れる時に通貨の信用貨幣として価値は総崩れになります。国内総生産世界第三位の日本の総価値を無効にするほどの通貨発行とは、どの程度のものなのか誰にも分かりません。

 通貨の信認は、武力によっても維持できます。例えば帝国陸軍が軍票を発行したようにです。しかし、資産の裏付けのないものであり、信認は危うい土台に立ってます。我が国の円貨の信認は、武力なしの完全に資産のみに立脚したものであり、経済学的には、世界で最も強い信認の土台に立っていることを忘れてはいけません。

 おそらく1000兆円、2000兆円とかではない筈です。もっと多いと予想します。1000兆の国債発行残高があっても、大規模量的緩和してもなお、日本の円の信頼はビクともしません。ただし、民間の資産は、国家が任意に処分できる資産ではないので、国債発行残高を何らかの方法をもって償却しないと将来において予算編成不能となり、有り余る黒字にもかからわず倒産するおかしな事態に直面します。割引国債即時型などの方法が提言される所以なのです。

 私が提言するような仕組みの割引国債即時型は、どこの政府も実行したことのないアイデアです。穏やかなマイナス利息による資金供給は、実行可能性のある案です。

付記3

 無限に通貨の価値の希薄化=発行はできますが、無限に通貨の価値は下がりつづけます。マイナス利息による資金供給とは、そのようなものです。ものには、限度があります。円がレンテンマルクのようにも当然なります。一万円札をリヤカーで運ばないと物を購入できなくなるほど刷って1億2千万人の国民に配れば当然ハイパーインフレになります。諺に曰く「過ぎたるは及ばざるに如かず」

 しかし、日本の総資産価値からみて、一回程度1500兆円償却しても、他国も価値の希薄化をおこなってますので、影響は少ない。現在円の希薄化は実施してますが、120円になるどころか、ともすると円高にもなってます。15年末で金融緩和で市場に流される355兆円程度では、円の希薄化は適正水準と言える120円程度にしかならないのです。恐らく倍の700兆円程度でも150円が一杯一杯の筈です。

 どの程度通貨の価値の希薄化を行えば、円がレンテンマルクのようになるのかは誰も分かりません。ドイツ、あるいは日本のように敗戦国で信用を失い、国土が焦土と化して生産設備がすべて破壊され、労働人口も激減した状態(潜在GDPが著しく低下した状態)でもあれば、現行の国債債務残高1000兆円は、ハイパーインフレとなり破綻確実です。それ故、会計法において、日銀の国債引き受けを禁止し、歳出の赤字の穴埋めの国債発行を禁止したのです。通貨の価値の希薄化は、アイデアとしてはあっても、ハイパーインフレのトラウマもあり、実行が躊躇われていた訳です。

 私が腰だめで2000兆円程度と言うのと、精密そうに計算した回答も五十歩百歩なのです。単に納得感があるだけです。分からないものは分からないのです。355兆円流しても適正水準の範囲内ですので、金融緩和2000兆円程度でハイパーインフレ警戒水域というのも当たらずとも遠からずであることが理解できると思います。

 いずれにしても割引国債即時型は、現行の金融緩和で流した通貨の量は増えこそすれ減少はしません。また、無制限に通貨を流すものでもありません。既に市場評価の確認された通貨の量を維持するものです。(ここは重要です。)経済が巡航状態になるまでのつなぎであり、巡航状態以降は通常の公開市場操作を行うことになります。

 現在日銀が市場から吸収した国債をそのまま、割引国債即時型としても円の水準に影響はありません。心理的なものもありますが、米国を初め通貨の希薄化をおこなってますので、結局危ない時の円頼みの構造に変化はありません。口から出まかせで元英金融サービス機構(FSA)長官アデール・ターナーさんが現行国債のゼロ・クーポン永久国債への振替を提言している訳ではないのです。

 気が狂っていると思われる方は、日本がおかれた状況を良く理解してない方です。通常の金融政策では返済は極めて困難であり、実行可能性のある金融政策であれば奇策にも頼らざるを得ない状況に日本は、既に追い込まれているのです。

 金融緩和の出口戦略は、米国は日本、欧州に押し付けることで抜けだしましたが、日本は押し付ける相手がいません。独自に解決する必要があります。理解してるでしょうか。諺に曰く「窮すれば通ずる」と。「貧すれば鈍する」ではありませんので、念のため。

 FTにおいても国債の償却は、社説で昔から述べられてます。

12.7.4 フィナンシャル・タイムズ社説WEB版

 「日本がデフレとの戦いで決定的な勝利を収めるためには、もっと抜本的な措置が必要かもしれない。日銀は単に国債の保有高を増やすにとどまらず、国債を消却することもできるだろう。増税の対象を家計の支出から企業の貯蓄へとシフトすることもできるだろう。」

付記4  ウィキペディア「岩田規久男」の項から引用

原理的には正しいとしても政策として使えるのかという点である。

 日本銀行がいうように、日本銀行がいくら金融を緩和しても物価が上がらないとするなら、日本銀行はお札をどんどん刷ることによって世界中のありとあらゆる
資産を買い漁ることができるはずだ。しかし、そんなことはあり得ない。いつかは必ずお札の価値は下落する。つまり、物価が上がるわけである。論理的に考えれば、この推論に間違いはない。

  だが、問題は「いつか物価が上がる」といっても、一体いつなのか、どれぐらい金融を緩和すればよいのか見通しが立たない
とである。例えば、翁は、岩田ら経済学者の提案は、原理原則としては正しいとしても政策としては使えないだろうと批判している[45]

 物価が上がらないうちは日本銀行と政府を併せた広義政府部門が、通貨発行益をインフレというペナルティ無しで享受できるわけであり、財政支出を通貨
発行益で賄えば将来の金利負担の恐れなく財政健全化が達成できる
ことになり、いずれにせよ国民の利益となる政策であるから反対する理由とはならない」以上ウィキペデイアから引用

   「通貨発行益をインフレというペナルティ無しで享受する」ための政策は、ある筈です。誰も実施したことのない政策ですので、市場動向を見極めつつ、割引国債を市場に還流させる政策は、優れた政策です。

 国債償却はハイパーインフレになると主張されるも、否、ならないと主張される方も、結局定性的な推測にしか過ぎません。

 通常ハイパーインフレは生産施設が壊滅し、或は資源価格が暴落した異常な追い込まれた状態での通貨増発です。しかし、日本は世界的な競争力のある生産施設が壊滅してません。日本に対する信頼もあります。勤勉な国民もいます。

 国債償却を割引国債に変換して、市場動向を見極めつつ満期到来済みの割引国債を市場に流す政策は穏健な施策であり、勝算のある方法です。

 「通貨発行益をインフレというペナルティ無しで享受する」ことは、どこの国の政府もできる政策ではありません。日本のように戦後70年間金融政策を真面目に実施した国にして、初めて実行可能な政策です。戦後70年間に世界で蓄積された円通貨に対する信認を背景にしたものです。

付記5

 現在は、通貨希薄化による通貨実質価値の切り下げが行われており、これは、国民に対する紛れもない大増税です。マイナス利息により得た大企業の利益は、当然国民に還元しなければなりません。この道理を理解していると思いたい。

付記6

 日銀が様々なアイデアを用いて膨大な累積債務を持ちこたえても、毎年毎年財政支出の半分を赤字国債に頼っているようでは、解決は不可能です。年々の歳出、歳入は、どうしても均衡させなければ、どのような努力も徒労に終わります。

 上記のゼロ・クーポン永久国債も一時凌ぎにしか過ぎません。永久に頼れる政策ではないのです。借金返済はまもとに返済するか、借金棚上げ、踏み倒ししか方法はないのです。国家の踏み倒しですので、誰も裁けません。お咎めなしなのです。

 どうも黒田さんの金融緩和をもってしても財政均衡への道は遠いようです。まだ結末は見てませんが。一方で緩和をして、一方で国民を絞り上げては需要回復は不可能です。一部に滞留するだけです。後は野となれ山となれ政策です。

付記7 インフレ税について参考記事

次は、「働く人のためのケインズ革命」というブログの記事です。全文引用します。 

①インフレ税は富裕層が負担する。

 日銀が金融機関から国債の買い取りを行った場合においても、なお、日銀の保有する国債を政府債務にカウントする者もいますが、日銀は政府の一機関ですから、政府の日銀に対する債務というものを政府の債務にカウントし続けるのは奇妙です。現実社会では、二重人格でもない限り、そうした自分(政府)と違うもう一人の自分(日銀)がいるなどという心の葛藤は起こりません。

 自分と自分との間では債務不履行などの問題は起こらず、そういう行為によって起こる、外部に対する影響だけを心配していれば良いはずです。そして、外部に対する影響で思い浮かぶものはインフレだけです。他には何もないはずです。

 「インフレによる国民負担の増大」を俗に「インフレ税」と言います。「インフレ税」は経済学用語ではないのですが、インフレが国民生活に税金のような負担を強いる様子を表現しています。

 政府が国債を発行し、金融機関からマネタリーベースを回収すると同時に保険会社や個人のマネーストックを凍結し、あるいは、税収でマネーストックを回収し、政府が税収と発行国債の合計額と同額の支出を行うと、金融機関から回収したマネタリーベースと同額のマネーストックが増加し、市場はインフレに誘導されます。

※マネタリーベースとは、日銀が供給する通貨のこと。より具体的に言うと、「日本銀行券発行額」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」の合計額。日銀当座預金とは、日銀が民間銀行ののお金を預かる口座。異次元の金融緩和とは、日銀から民間銀行から国債を大量に買い取り、その代金を日銀当座預金に預ける政策のこと。(弁護士明石純平著「アベノミクスによろしく」から引用)

※マネーストックとは、世の中に出回っているお金の総量で、個人や企業、地方公共団体が保有している現金・預金を全部合計したもの。日銀当座預金を増やしても、それが貸出に回らなければ、マネーストックは増えない。マネーストックが増えないと物価は上がらない。
(弁護士明石純平著「アベノミクスによろしく」から引用)

 これからも判るように、財政政策においては、金融機関のマネタリーベースの減少分がマネーストックの増加になります。マネーストックが増大するときに、活動貨幣(取引動機による貨幣保有)の増大をもたらすならば、インフレになります。しかし、活動貨幣の増大を抑えながら、つまり、貨幣の富裕層への一極集中を推進しながらマネーストックを増加させても、インフレにはならず、経済成長もしません。なぜなら、富裕層が保有する大量の貨幣は配偶者100人も抱えないと市中で消費されない、故に貨幣は退蔵されるためです。それは、今の日本の状況そのものです。

 2018年12月のマネーストックM3は1347兆円ですが、内訳は、現金預金102兆、預金通貨672兆、定期預金542兆、譲渡性預金29兆です。

 活動貨幣の増大をもたらすには、消費性向の高い低所得者や貧困層への十分な所得再分配が行われていなければならないのです。

 財政支出だけでなく、金融緩和によっても、マネタリーベースが増加することで信用創造が起こった場合、マネーストックが増大し、市場はインフレに誘導されます。信用創造は内需型産業である中小企業(または低所得者や貧困層)の投資の原資ですから、信用創造による投資の効果は地方の隅々に行き渡ります。

 しかし、通常、インフレによる賃金の上昇は物価の上昇に対して遅効性があり、賃金が上昇するまでの間、インフレは国民にとって負担となります。インフレが国民にとって負担になることを称してインフレ税と呼びます。

 インフレが起こることによって、政府が貨幣発行によって行う財政支出は国民の生産物や労働力を強制的に調達することと同義になります。それゆえ、インフレは国民にとって負担になるのです。

 政府支出では、政府が支出するところに貨幣が供給され、そこに物資や労働力が集まることで政府支出における所得再分配が起こり、他の場所の消費物資やその生産が手薄になることから、国民に消費財が手に入りにくくなり、インフレとなります。

 例えば、戦時中などに軍事産業や新領土への投資に政府支出が行われると、日本の国民の生活物資が減少し、国内はインフレになります。戦時中では物価統制が行われインフレにならなくても、消費物資が政府支出先に分配されることから、他の場所の消費物資やその生産が手薄になりますから、インフレと全く同様に国民生活は困窮します。

 ただし、平時において、政府支出で政府が調達する生産物や労働力は、ただちに、道路建設その他の行政サービスとして、国民のものになっていますから、国民から取り上げるという表現は当たりません。これは取り上げたのではなく、あるところの生産力を他のところへ移転する所得再分配を行ったということです。

 インフレが国民に負担をかけるときは、短期的には、経営者は完全雇用が達成されて賃金が上がるまでの間に得をし、賃金労働者が損をします。また、中長期的には、預金者や債権者が損をし、債務者は得をするといったことが挙げられます。

 しかし、これは、国民の所得の移動の問題であり、政府は損も得もしません。それは、つまり、国民全体としては何の損も得もしていないということです。インフレは、戦時における産業の破壊などが無い限り、国民の所得の移動の問題にすぎません。よって、国民全体としては何の損も得もしません。

 税収弾性値による税収の増加については、インフレ税は本物の税金のことを言っているわけではありませんから、税収弾性値がどうであるとかの議論はここでは除外します。

 インフレによる損得だけを挙げると、まず、賃金が上がらない期間は労働者が損をし、企業はその間得をしますが、しかし、すぐに完全雇用が達成され、労働力の希少性から賃金が上昇し、インフレ率に追いつくようになると、労働者が得をするようになります。なぜなら、緩やかなインフレが続くときは、賃金の上昇するスピードのほうが、物価の上昇するスピードより速くなるからです。ただし、企業も売上が上昇しますから、それによって損をするということはありません。むしろ、景気が良くなることで、企業側と労働者側は共にウィンウィンの関係になります。

 企業は、必ず、インフレから賃金の上昇までのタイムラグで起こる利益の増大を確保しようとし、出来るだけ賃金を上げる時期を先延ばしにしたり、出来るだけ上昇幅を低く抑えようとします。

 しかし、完全雇用状態で人手不足が起こると、新規採用で他社に負けないよう賃金を高くしなければならなくなり、この時、新規採用者より既存社員を低賃金にするわけには行きませんから、社員全体についてもベースアップせざるを得なくなります。よって、労働者は完全雇用で始めて賃金を上げることが出来るし、人手不足が続けば続くほど、大幅な賃金アップを期待することが出来ます。

 もちろん、賃金の上昇を早めるためには、完全雇用による市場原理からの賃金の上昇を待つだけではなく、労働組合などの賃金闘争も活発に行うべきであることは言うまでもありません。

 急激なインフレで、賃金が物価上昇に追いつかない現象を悪いインフレと表現したりします。悪いインフレによって、労働者は困窮し、インフレ税の過酷さを知ることになりますが、賃金の上昇が物価の上昇に追いつくようにバランスを取りながら、微弱なインフレが続くと、労働者はインフレ税の負担を感じず、むしろ所得の増大を実感し、経済は安定的な成長を実現することが出来ます。(筆者注記 ポルトガルの近年の経済政策が参考になります。)

 また、不況期のインフレ誘導は景気回復をもたらし、投資家は投資を拡大しようとします。

 逆に、デフレ状態が維持されると、需要が不足したままですから、投資をしても引き合わなくなり、雇用も行われず、不完全雇用の状態が続きます。

 デフレ不況の被害を受けるのは中小企業と労働者だけです。大企業にとっては、資本の希少性から市場占有率を高めることが出来るようになり、むしろ利益を拡大することが出来ます。デフレ不況は、大企業にとっては好景気なのです。

 中長期的にインフレが続くことによって、貨幣価値の変化によるもう一つ重要な損得の関係があります。

 インフレにおいては、損をするのは現金や預金を持っている者と債権者です。債務者は得をします。債務者は、所得が上がり、所得に占める返済額の割合が徐々に小さくなって行くことで、実質債務の減少を実感することになります。債権者は現金や預金の実質価値が減り、また、債権額の実質価値が下がることで実入りが少なくなったことを実感するようになります。このようにして、インフレによる現金、預金、借金の実質価値の減少で、あきらかな債権者から債務者への富の移転が起こります。

 また、インフレ税によって、貨幣が国民から政府に移転されるという言説がありますが、「インフレ税」は、「インフレによる国民負担の増大」を指しているのであって、「インフレ税」という現象において国民負担が増加しても、それが政府に移転されるという現象は存在しません。事実誤認です。

 ただし、政府も形式的には債務者ですから、インフレによる実質債務の減少から得をしますが、これは、政府という特性によるものではなく、債務者という特性によるものです。しかも、そのとき損をするのも、国債を買っている国民に限られるのです。だから、貨幣が国民から政府に移転されるという言い方は、インフレにマイナスイメージを植えつけるための印象操作にすぎません。

 また、「インフレ税」とは別の概念であるものの、インフレによって増加する税負担を表すものに「税収弾性値」があります。税収弾性値とは、GDPの増加率に対する税収の増加率のことで、インフレのときはGDP増加率以上の増加率で税収が増加します。これを税収弾性値による自然増収と言います。

 税収弾性値は法人税と所得税にだけ存在し、GDPの比例税である消費税には存在しません。消費税が導入される前は、税収弾性値による自然増収では、法人税と所得累進課税の最大の負担者である富裕層が損失を被っていました。

 税収全体に占める消費税収の割合が増えれば増えるほど税収弾性値は下がりますから、消費税増税が行われれば、インフレになっても高い自然増収は存在しにくくなって来るものと思われます。

 税金は、市場の貨幣量を操作する手段の一つであり、貨幣を回収し減少させる手段ですが、貨幣を回収する相手として、白羽の矢を立てられた者つまり納税者が損をすることになります。よって、富裕層は、税負担を低所得者や貧困層に移転することを切望し、それを実行するものが消費税の創設です。

 法人税や所得累進課税の強化では富裕層が損をし、消費税増税では内需型企業の中小企業経営者およびその労働者が損をします。中小企業経営者およびその労働者はおおむね中間層や低所得者です。

 したがって、低所得者への所得再分配や、平等を目指す政策では、法人税や所得累進課税を強化して、富裕層に損をさせることが正しいのです。

 税金の役割は、ただ貨幣の量さえ調整すれば良いなどという単純なものではありません。税金で貨幣を回収する相手として、誰の税金を増税し、誰の税金を減税するかで、格差社会となるか平等な社会となるか、あるいは、経済成長できる体制であるか、そうでないかが決まります。

 このように、インフレがGDPの増大をもたらし、GDPの増大が税収弾性値で税収を増やすという関連性はあるかも知れませんが、そこまで来れば、インフレ税の話ではなく本物の税金の話になってしまいます。

 富裕層は、預金や債権の実質価値を減少させるインフレ税と、税収弾性値による本物の税金の負担増の組み合わせに恐れおののき、歴史的にも現代においてもインフレを忌み嫌っているのです。

 インフレによって資産価値が上がるので、結局は資産を多く持っている富裕層が得をするという意見もあるようですが、これはウソです。富裕層の資産は土地や株式など物価にスライドして上昇する資産もありますが、これらは物価と平行して損得がないようにスライドするのであって儲かるわけではありません。

 しかし、富裕層の現金・預金・債権は物価にスライドしませんから、確実に実質価値は減少し、富裕層は損をします。逆に、債務者は実質債務が減少し確実に得をします。

 インフレが起って、労働者や債務者が損をするなどということはほとんど無いのです。1990年のバブル崩壊まで長く続いたインフレ期に、中小企業や労働者が元気だったことを見ればそのことが判ります。

付記8

 潜在GDPとは、ある一定時点の国が保有する供給生産能力を100%稼働させた場合の生産能力のことです。これに対して名目GDPとは、ある一定時点の消費需要能力です。この差をデフレ・ギャップあるいはインフレ・ギャップといいます。潜在GDP>名目GDPの場合には、デフレギャップがあるといいます。反対に潜在GDP<名目GDPの場合にはインフレギャップがあるといいます。現在は成長率がほぼゼロ近辺ですので、潜在GDP>名目GDPという状態です。即ち国民に消費するお金がない状態です。このような場合には、デフレ・ギャップを解消するめたに需要を喚起する必要があります。消費税を上げるとは消費するためのお金を国が吸い上げることですから需要は減少してデフレ・ギャップは更に拡大します。

 国はアベノミクスにより大規模金融緩和により貨幣を増刷して国債を市中から吸い上げて貨幣を供給しました。貨幣を増刷することをマネタリーベースの増加といいます。この増刷された貨幣が企業、最終消費者へ流れて活動貨幣が増加することをマネーストックの増加といいますが、現在はマネーストックが大企業、富裕層で止まっております。

 これが企業の内部留保=利益剰余金460兆円(金融込みでは500兆円)、国民預貯金1800兆円となっています。企業は国内投資も、株主還元も、従業員給与アップもせず、そればかりか守銭奴となり非正規増加で更にコストカットしています。何かしているという経営能力無能を隠すために高値でM&A(企業の吸収合併)をしていますが、ほぼ損失となり失敗しています。要するにアベノミクスは成果が出たのですがバカな経営者に阻まれて頓挫しました。

 非正規労働者が増えて、更に裁量労働制で残業代は払わないとか需要を減少させることばかりしています。自分にとっては最適の行動でも経済全体で見れば不具合・不景気になる合成の誤謬が発生しています。こうなると血を血で洗う激安合戦、管理費削減、売上強奪を図るために業界再編がおこります。更にデフレ・ギャップは開きデフレになります。

 このような時には、ケインズ経済学ではヘリコプターマネーを活用すると提言していますが、国債増発により公共事業を発注して経済にカンフル剤を打ちますが、成熟経済では発展の余地が乏しく、乗数効果も限定的であり、後には借金の山だけが残るという過去でした。

 しかし、これは、ケインズ経済学が無力という訳では決してありません。国債増発で借金して予算を市中に流してましたが、政府は利子のつかない貨幣増発権限をゆうしているのですから、日銀券ではなく、準貨幣として財務省証券を発行したらどうかと提言するものなのです。その手段は利子付国債を無利子の割引国債に借り換えて、政府の内部で償還期限をゼロとすると即時償還割引国債は直ちに準貨幣になると提言しているのです。

 これは、決して無限に割引国債を発行できるということではありません。インフレペナルティーを受けない範囲で通貨発行益を受けれますと言っているのです。過去にはハイパーインフレの悪夢もあり誰も試みたこのない政策ですが、理論上あるのですから必ずできる政策です。

 しかし、誰も試みたことのない世界ですから、市場動向を見ながら漸進的に準貨幣を市場に流すことが現実的政策と提言しています。

 財務省証券を貨幣化しようとする試みは過去にもリンカーンとケネディが試みましたがいずれも暗殺されています。利子のつかない貨幣を発行してもらっては儲からない、民間銀行FRBの通貨発行権限を侵す神を恐れね所業という訳です。大統領の暗殺は、俺のシマを荒らすなという警告なのです。

 日本銀行も民間銀行ですから、国が通貨発行権限を握り、財務省証券を準貨幣にする試みは「泣く子を起こすようなことをするな」と米国FRBあるいはゴールドマン・サックスからから相当の抵抗に遭うことが予想できます。MMT理論なども気違いと叩き潰される筈です。

 デフレ・ギャップを解消するには、大規模規制緩和で出来レースを計画して、強奪を図る方法もあります。これをしているのがグローバル化経済あるいにはバブルで強奪というゴールドマン・サックスのやり方です。災禍便乗型資本主義経済です。これは国民の幸福にはなりません。更に富裕層を富ませて格差を拡大させて社会が不安定になるだけです。

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