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2018年3月10日 (土)

ポルトガルの経済政策

 ポルトガルの経済が好調です。

 ポルトガルは、ギリシャ同様に財政危機に陥りEUから780億ユーロの緊急融資を受けました。当然ドイツ流の緊縮財政を求められました。

 しかし、15年に社会党政権が誕生すると、EUの脅しにも怯まず、一転して反緊縮財政に舵を切りました。最低賃金を引き上げて、逆進性の高い増税案を破棄し、公務員の賃金と年金支給額の引き上げ、水道局や鉄道会社などの民営化を停止し、祝日数も元通りにした。貧困世帯への社会保障も増やした。

 この結果は、EU幹部の脅しめいた忠告もありましたが、怯まず反緊縮政策を貫き、ポルトガルの内需と投資は16年によみがえりました。経済成長も安定し、17年9月には国の信用格付けは5年半ぶりに投資適格級に復活。近年は急速な経済成長を続け、失業率も13年の17.5%から8.5%にまで低下しています。まさに不可能と言われていたことを成し遂げたのです。

 13四半期連続で堅調な経済成長を遂げ、財政赤字も快調に減らしています。ポルトガルは南欧で先陣を切って債務危機から抜け出しました。16年には、単年度で財政赤字額の比率がGDPの2%となり、初めてユーロ導入国に課された財政基準をクリアしました。

 このポルトガル経済復活の立役者は、ハーバード大出身のセンテーノ財務相です。この方がこの度ユーロ圏財務相会合の新議長に就任しました。この人事を推したのはドイツのメルケルさんとも言われており、欧州における緊縮財政が機能してないことをようやく認めたと囁かれているとのことです。

補足

 ポルトガルの投資不足を補うために富裕層に対して「ゴールデン・ビザ」を発行しています。

 企業投資ではなく、富裕層の個人の投資を当てにした訳です。

 ゴールデン・ビザとは、ハーバード・ビジネス・オンラインによる解説では、次のとおりです。

「ゴールデン・ビザの発行の条件として、当初ポルトガル企業に50万ユーロ(6500万円)以上の投資、あるいは同額以上で不動産への投資をすること、そして、年間で183日ポルトガルに滞在するということが条件になっていた。

 その後、この金額が改正されて、現在は20万ユーロ(2600万円)以上ということになっている。ゴールデン・ビザを取得すれば、滞留許可は10年というのが容易になる。(参照:「Libre Mercado」)

 不動産の投資とは、すなわち居住する為の住宅の購入などを示すものである。この手段によって不動産が動けば景気の促進に繋がると政府は判断したわけである。

 そして、ゴールデン・ビザには、富裕層にとってはもっと大きなメリットがあったのである。

 ゴールデン・ビザの最大のメリット、それはゴールデン・ビザの取得者は外国からの入金に対してそれが如何なる名目であれ課税の対象にはならないことだ。つまり、外国人富裕層がポルトガルに資金を持ち込む場合はタックスヘイブンになるというわけだ。

 つまり、このゴールデン・ビザを活用すれば、本国で何らかの金銭を得る手段を確立している富裕層は一銭も税金を払わないで済むことも可能になる。

 例えば、ある英国人が英国で得た配当金に対し、英国では本人が英国に居住していないということで課税の対象にしない。そして本人が居住しているポルトガルでは、英国が徴税する権利を有しているということで課税の対象にしない。結局、本人は英国でもポルトガルでも税金を払わないで済むということになるのである。

 この特典を利用して、既に5000人がゴールデン・ビザを取得している。このプランの実施によって外国から入って来た資金の総額は25億ユーロ(3250億円)になるという。(参照:「Libre Mercado」)

 また、年金受給者の場合、ポルトガルの銀行に預金するだけで、本国から送られる年金が課税の対象にならないという利点もある。この対象になるのはEU諸国以外に米国、ブラジル、日本とも合意が結ばれているとしている。(参照:「La Voz de Galicia」)

 そして、在住6年でポルトガル国籍の取得もできるようになるが、一旦それを取得するとポルトガル人ということになってしまい、これらの外人に与えられている全ての特権を失う事になる。

 ゴールデン・ビザの取得が容易になリ、外国からの収入の入金に対して課税の対象にならないということで、ポルトガルに居住を構えるようになった有名人としてマドンナやジョン・マルコヴィッチらがいる。ただ、海外からの入金は課税対象ではないものの、彼らが仮にポルトガル国内で得た収入に対しては一律20%の税金が課せられることなっている。(参照:「La Voz de Galicia」)

 ポルトガルもEU加盟国で、しかもビザが容易に取得できるということで、積極的に不動産を購入している人の90%は中国人だそうだ。一方、ヨーロッパではフランス人、ドイツ人、北欧人がポルトガルでの居住を選択しているそうだ。(参照:「La Voz de Galicia」)」

 

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