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2018年6月16日 (土)

トランプさんの世界戦略

 トランプさんの行動は、従来の米国の戦略とは、かなり離れています。トランプさんは選挙戦から対立の構図をつくり、国内置き去りで外国に介入して軍産複合体が儲けるのはおかしいと言ってました。これはインフラガタガタ、中間層没落、貧困層増大の国民の感覚ともあっています。対立の構図はそもそも相手と仲良くすればよいだけで、軍事費が浮きますというものです。それが続々実現されています。トランプさんの言葉「戦争ゲームをやめることにする。それで莫大な費用が浮く。」

1 同盟国に高率関税をかける。カナダ、EU、日本とは同盟国といいながら米国だけが損をしている。北米自由貿易協定、環太平洋経済連携協定はクソだ。見直しが必要だ。現状では不満だ、もっと米国に富をよこせ。

2 同盟国は、米国の傘に入りつづけるには、もっと軍事費を負担しなければならない。

 対NATO諸国、対韓国、対日本 NATOなど時代遅れの同盟を切り捨てる。ただ乗りは、ダメです。

3 北朝鮮に融和策をとり、中国の助けがなくてもやってゆける状況を作り、中国に高率関税をかける。中国に高率関税をかける土台としての北朝鮮融和策です。

4 ロシアに融和策をとり、対立の構図をそもそも無くしてしまう。NATOは冷戦遺物で時代遅れ。

5 軍産複合体の推める戦略は非効率で金がかかり、67兆円もの軍事費をかける割に得られるものは少なすぎる。アフガン、イラク戦争はクソだ。

6 中東は基本ロシアに任せる。

 トランプさんの進める世界戦略は、単純なモンロー主義のようなものではなく、対立があれば、対立の構図を根本からなくして、軍事費を浮かす。しかし、一方で覇権を争う国とは、貿易戦争も辞さない。パックスアメリカーナを維持し、パックスシニカを断固阻止する。メイクアメリカグレートアゲインです。

 これらから見える、トランプ戦略は、欧州においては、NATOは時代遅れで、欧州同盟国を切り捨てる。もともと戦うことなどできないロシアと融和する。中東はロシアに任す。

 アジアにおいては、紛争の火種である北朝鮮と融和して、中国の援助なしでもやってゆける状態を作りだし、在韓米軍を撤退して、軍事費を浮かす。

 中国とは、貿易戦争をしても米国の利益を守る。第一列島線北側は在日米軍と日本に守らせる。台湾、尖閣諸島など中国との紛争の火種を抱える地点からは、危険であり、徐々に撤退する。

 インド・太平洋軍はオーストラリアと共同で南アジア、インド洋に重点を置いて防衛する。

 以上のようにトランプ世界戦略は、誰も考えたことのない非常に大掛かりな世界戦略となっています。このような大きな見方でレジーム・チェンジをする大統領は戦後初です。しかも、この戦略はトランプさんの頭の中にだけあり、側近の誰も全貌を知らないことです。このような大きな世界戦略をチームを組まないで72歳の老人一人でやろうというのですから驚きです。朝の4時からツイッターで発信する不屈の精神はどこから来るのか。何としても自分をコケにした東部エスタブリュッシュメントに頭を下げさせたい一心のような気がします。こいつらが詫びを入れて、ひれ伏さないと死ねないという負けず嫌いの気持ちが分かるでしょうか。

 トランプさんの行動は、予測不能ですので、従来の戦略から莫大な利益を挙げてきた軍産複合体は先手を打って潰そうとしても手が見えないので妨害ができにくいものです。トランプさんの頭の中にだけある戦略ですから誰も裏切り、リークなどできないのです。対するトランプさんも、護衛費は半年で年間予算を使い切るほどで、移動中は毒殺を恐れて市販のハンバーグのみを食べる気の使いようです。

 トランプの世界戦略は、ブレーンが緻密に組み立てた世界戦略ではありません。自己の才能を頼りに組み上げた個人的世界戦略です。軍産複合体が組み立てた世界戦略では2024年に中国が世界全体のGDP20%となり(OECD、IMF予想)、米国を抜き、2050年GDPシェアは、中国30%、米国18%、日本3%の予想(英国エコノミスト予想)でパックスシニカ確実ですので、ままよエイヤの世界戦略であり、中国の一帯一路構想などとは比較にならない雑な世界戦略です。

 トランプさんは、多くの精神科医がサイコと診断する方です。サイコでも気違いでも軍産複合体とウォール街に奉仕しないトランプでも、すがり付きたい庶民の気持ちに米国の苦悩が現れています。誰が見ても落ち目の米国に属国としてすがりつく見苦しさにも思いを馳せるべきです。

 皆さんも、どうでも良いことですが、米国世界戦略は、スケールの大きな形で変化しているようですので、ニュースを解析して見てはどうでしょうか。分析の結果、上記見立てと間反対の見解がでる所もおもしろいところなのです。

補足

 グランドデザインが曖昧で、個々の局面のみの最適化、即ちミクロ的最適化を積み上げてゆくと、必ずしもマクロでみた場合の最適化にならないことは、合成の誤謬として経済学的には良く知られた現象です。トランプさんは、知っているのだろうか。個々の局面のディールの勝利を積み上げて、マクロでメイクアメリカグレートアゲインを達成できるのか。

 また、マクロで誤るといくらミクロ的最適化を積み上げても失敗します。これをミクロはマクロに勝てないといいます。即ち最初の戦略で誤ると個々の成員がどれだけ努力しても失敗するということです。軍部の開戦の決断がこれに当たります。トランプの防衛の借りは貿易で返してもらうという政策は、マクロで誤っている可能性が高く、従ってディールをどれだけ精巧にしても、結局失敗する。日本の取りうる策は、ノラリクラリと小出しに従って、73歳のバカが去るの待つだけです。前のめりになるとケツの毛まで抜かれます。
※防衛の借りを貿易で回収する政策は、クリントン政権もやってました。「サア、平和の報酬を回収しよう。」は有名です。トランプは全世界的に、これをやろうとしてますが、マクロで間違ってます。日本以外は主権国家です、属国ではないことを失念しています。カナダでも1.4兆円の報復関税をかけられた。一寸の虫にも五分の魂があることを忘れている。トランプのビジネスでは、銃で打ち合うことはないが、国家間闘争では戦争があることは常識です。

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